生活と、そのほかのこと 10/2〜10/8号

2023年10月初旬の食事や生活について。三浦大知のライブに行った話など。
ffi 2023.10.13
誰でも

<目次>
・感想と返礼
・食事と生活

感想と返礼

ふだん書いていることの半分は、なにかしらの感想だと思う。感想を書くのは自分のための記録であり、他人になにかを伝えたいという意思だ。

こんな面白いことがあった。こんな素晴らしいものがある。挑戦がある。達成がある。陶酔がある。美しい。好きだ。自分の知ったことを他の人にも知ってほしいと思う。感動を伝えるために書く。

こうして列挙してみて、わたしの中にはジャーナリズムみたいな気持ちはあまりないんだなと気付く。よくないものについても伝えなければと考える人もいて、そういう意思も世界にとってはとても大切だが、わたしを駆動するものではないようだ。

感想を書く。
その行為が自分のセンスを見せる手段になってはいけないなと思う。解釈合戦はファンダムの盛り上がりに役立つかもしれないが、本質からは遠いように感じる。

面白いものを紹介したいという気持ちがまずあり、これはこんな背景を知っていたり、こんな切り口から見たりするとさらに楽しめるよと伝える。情報と感動を伝えることが目的で、自分の視点の切れ味を誇示するべきではない。少なくとも、いまのわたしはその舞台に上がるように要請されてはいない。

「贈与と返礼」のことを思い出す。
わたしのしていることは返礼だ。いままでSNSなどに書かれた言葉によって楽しませてもらってきた。新しいものを知ったり、新しい見方を知ったりした。そのとき受け取ったものを、時間と場所を変えていま返している。

感想を書けることの責任を果たそうとしているのだ、わたしは。自分はせっかく書くことができるのだから、書かなければならないと感じているのだ。傲慢な考え方のようにも思えるけれど、でも、わたしはそう感じているところがある。

***

三浦大知さんのライブコンサートに行き、その感想をTwitterに書いた。多くのファンの人たちに読んでもらえた。そのときわたしは、世界を少しだけよくしていたと思う。

食事と生活

10月2日(月)

「ニュースレターをやってみよう」と思ったのは何日か前のことで、Blueskyに「やってみようかしら」と書いたのはこの日。いろいろと手を出しては飽きたり面倒になったりしてやめてしまうことが多い性格なので、今回もそうなるぞと思いながらも、まあ別にいつやめてもいいのだよねと思いながら書いている。

所用で役所に行く。待合室で待っていると、近くに座った人が持つ書類の中身が見えてしまった。人はそれぞれいろいろな事情があって役所で順番を待っている。

夕食は、ニラ玉、ナスとピーマンと豚コマの焼肉のタレ炒め、白菜の味噌汁。

スーパーに白菜が並び始めた。値引きシールが貼られていたので買う。とりあえず味噌汁になった。しばらく前に開けた焼肉のタレをまだ使っている。なるべく速やかに使い切りたい。

10月3日(火)

1通目のニュースレターを書くのに苦労している。書きたいことはたくさんある。最初くらいは書きたいことを全部書くべきだろうと思いつつ、これは次回以降が大変だぞとも思う。

夕食は、白菜とニラと豚バラの炒め物、ハムとキュウリの冷奴、ほうれん草とふしめんの鶏がらスープ。

前日の白菜とニラを炒め物に回す。白米と肉野菜炒めがあれば献立はなんとでもなる。スープの具材は、冷凍ほうれん草とふしめん。ふしめんは素麺の端材らしい。美馬のスーパーで買ったもの。お麩のような感覚でときどき使っている。

10月4日(水)

ドラマ『きのう何食べた?』シーズン1 第11回(クリスマスパーティの回)がたまたまYouTubeのトップページにあったので、妻といっしょに観る。西島秀俊がちょっと西島秀俊すぎるなと思っていたが、クライマックスで演技を爆発させていてすごかった。

夕食は、ギョウザ、炒めモヤシ、冷奴、えびしんじょとブロッコリーのスープ。

スープのえびしんじょは冷凍食品。妻のお弁当を作っていた時期のストックだが、弁当作りは2週間ほどでやめてしまってそれからずっと冷凍庫のなかに眠っていた。ブロッコリーも冷凍のもの。餃子ももちろん冷凍だし、冷奴は豆腐を切っただけ。モヤシ炒めもモヤシを炒めただけ。こういうレパートリーを増やしていきたい。

10月5日(木)

三浦大知ライブツアー「OVER」を観た。素晴らしかった。

Twitterへの投稿を一部修正して転載する。

わたしが初めて観た三浦大知は、映画『ぼくらのよあけ』の舞台挨拶で、お台場の映画館で行われたイベントで彼はみょうに緊張しているようで、「歌もダンスもめちゃくちゃすごいスーパーマンみたいな人だと思ってたけど、こんなに人間なんだ!」と思ったんですよ。

そのときの印象もあって、今日のライブで見た三浦さんもなんだか「近所のお兄ちゃん」みたいな感じで。三浦くんちのお兄さん、いつも楽しそうにダンスしてて、今日も元気で楽しそうだな、かっこいいなあー、みたいな。すごく親近感があって、でもパフォーマンスは化け物でね。

歌も踊りもほんとめちゃくちゃすごいんだけど、三浦さんはあくまで楽しそうに、気軽に気楽に、無理なくいきいきとパフォーマンスしているようで、それがすごく印象的だった。背伸びをして120%を出すんじゃなくて、ちゃんとできる100%をしっかり鍛えて表現している感じ。だから親近感があるんだろうね。

そんな三浦大知の印象が、ライブの中盤で変わる。

とても力強いパフォーマンス。その力強さを見ていて、ああ、きっと「楽しい」だけでは済まないことだってたくさんあったんだろうな、と思ったんです。

あの超人的なパフォーマンスは、天賦のものだけではきっとなくて、それこそ血のにじむ努力を重ねてきて、社会のさまざまな理不尽さとも直面して、そういう闘いの末にいまの彼があって、そしていまも闘いを続けているんだ。そういう歴史があって、この瞬間の彼があるんだ。そんなことを感じました。

あくまで楽しく飄々と歌とダンスをやっているようで、おそらく中盤のわずかなパートだけは「全力」の120%を見せてくれたように思えて、それでなおさら泣いてしまいました。

ほんとうに素晴らしかったです。ライブが終わった直後に「もう一回見たい!!」って思ったのは初めてだよ。もう一回見たいなー!

10月6日(金)

緑地公園駅の近くにある書店「blackbird books」に行く。棚があまりにも好みなので長居してしまった。赤染晶子のエッセイ集『じゃむパンの日』、乗代雄介の小説『本物の読書家』、岡野大嗣の最新歌集『うれしい近況』を買う。じつは岡野大嗣はほとんど知らないのだが、blackbird booksの推し方が尋常でなかったので購入した。こういうときに買わないと、たぶん買うときがない。

夕食は近所のお好み焼き屋でお好み焼き。変わり種を食べてみようと「梅しそ」を頼んだところ、同じものを前回の来店時にも頼んでいたと妻に指摘される。ううむ。

つい数日前まで暑くて敵わなかったのに、急に涼しくなった。トイレの便座が冷たくて驚く。

夏過ぎてにわかに冷えし便座かな

10月7日(土)

3連休。鹿児島取材の記事をまとめるぞという心意気がある。

昼食はラーメン。サッポロ一番塩ラーメンの麺だけを使い、スープは去年の冬に使い切らなかったキムチ鍋のもとを利用。乾燥ワカメ、ハム、目玉焼きを乗せる。この乾燥ワカメ、ライフのPBなのだけど、香りが強くてかなりおいしい。

夕食は、ナスとちくわの薬味ポン酢かけ、鰹のたたき、エビの唐揚げ、キュウリの塩もみ、ナメコの味噌汁。

「ナスと焼きサバの薬味ポン酢かけ」の焼きサバをちくわに代えてみた。悪くないが、焼きサバの独特の油分がやはりこの料理のポイントだったとわかる。ちくわもおいしい。

『きのう何食べた? season2』1話を観た。シロさんの嫌なところ・悪いところが西島秀俊によって存分に出ていてすごくいいと思う。

10月8日(日)

連休2日め。朝食はパン屋のイートインで、パンを2つ食べる。電車に乗って神戸へ。

兵庫県立美術館で「Perfume costume museum」を鑑賞。とても美しい衣装。途中にあった型紙やスケッチの展示を見ているうちに、そういえばこれは布を切り貼りしたものなんだよなと思う。もともとは布なのに、こんなに奥行きのある立体物ができるのだ。すごい。

県立美術館の常設展は、近現代の日本人作家を中心になかなかのボリュームがあって、十分に堪能できた。建物の裏手にあったヤノベケンジの「Sun Sister」を見られたのもよかった。

昼は近くのロイヤルホストへ。2人で食べた会計が5000円近くになり驚く。いちいち驚かなくてもいいくらいの稼ぎを得たい。

近くに横尾忠則現代美術館があるのでハシゴしようかと考えていたが、また今度。三宮のあたりを軽く散策してから帰宅。

夕食は、カレイの煮付け、エノキとニラのごま油ポン酢和え、ポテサラ、ブロッコリーと乾燥わかめの味噌汁。

『きのう何食べた?』を観た以上、カレイの煮付けをつくらずにはいられない。カレイは2切れで400円ほどだった。妻にはまったく歓迎されていなかったが、たまには魚料理もつくりたいし食べたい。

***

編集後記

「毎週水曜日に、前の週の日記を発行しよう」。
そう決めた直後だというのに、2日遅れの金曜発行になりました。仕事の原稿がまったく進まなかったのです。さすがに仕事を放ってまで日記を書くわけにはいきません。

このニュースレターに期待している機能に、中期的な生活の安定があります。フリーランスとして仕事をし始めたのに、週とか月とかいう長めの時間軸での働き方がぜんぜんわからない。プロジェクト管理ができません。同僚や部下のマネジメントはわりとできていたと思うのですが、自分のことはできませんね。おかしいな。

ともかく、このニュースレターを安定して出せるようになったら、たぶん仕事ももっと計画的に進められるんじゃないかと思っています。次号は作品紹介コーナーもやるよ。

次回は10/18(水)に配信予定です。

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